弦について

知り合いより、「弦が硬いので指が痛い、できればコロコロした音にしたい」と、なかなか難しいオーダーをいただきました。対象はコンサートタイプのウクレレ。どれどれと弾いてみると確かにテンションは高め。
さて、ここで理科の時間です。糸を張ってはじくと音が出ます。同じ糸であれば、張ってある長さが長くなるほど低音になります。
ウクレレの弦は、たいていコンサートとソプラノ兼用ですね。ソプラノよりコンサートのほうがネックが長いので、同じ弦を同じ強さで張るとコンサートのほうが低い音になります。これは小学校の理科の通り。しかし、ソプラノと同じ音程にするためには、コンサートはソプラノより強く弦をひっぱらなくてはいけません。これが、コンサートタイプのテンションが強い一般的な原因です。
「弱く」してくれということですので、まずはできるだけ「細い」弦を選びます。素材によっても違いますが、まずは正道の細い弦を選びます。
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D’ADDARIO EJ99SC の1弦が0.205
ORCASのOS-MIDとOS-LGTの1弦が0.190
で、この二つを選んで見ました。
ORCASは、自分のマホガニー材のウクレレで使用しておりますが、サスティンが長いので気に入っております。しかし、これをKanileaのウクレレで使用したときに、何というか、バランスが悪いというか、何とも間が抜けた音になった記憶があります。
もう一つはEJ99SC。これはKanileaのウクレレに今でも張っていて、ORCASでバランスが悪かった点が改善され、非常にクリアで伸びのある音です。たぶん、EJ99SCも、マホガニーに貼るとダメなんだろうな・・・と思ってしまいますが。
さて、もうひとつの「コロコロした」という要望は、どちらかというとEJ99SCのほうが近いだろうと推測し、まずはHigh-Gの4弦を張って見ました。ところが、テンションは下がらず・・・ということで、EJ99SCはあきらめました。
つづいてORCASのOS-LGTを張ります。4弦を張って見たところ、なかなかゆるーいテンションになってます。全て張ってみると、前よりはテンションは下がっており、弾きやすさからいけば合格点です。
ただし、やはり「コロコロ」とした音にはならず、ロングサスティンの甘〜い音になっしまいました。ただ、以前ORCASをKanileaに張ったときよりもバランスは良い。同じKOAでも、AnaoleとKanileaでは音作りが違うのだな・・・と改めて感じました。とりあえず、これで渡すつもりです。

さて、ここでもうひとつおかしなことに気がつきました。
同じORCASを張っているにもかかわらず、私のURABEとAnaoleではAnaoleのほうがテンションが高いのです。しかも、URABEのほうがスケールが長いので、本来ならURABEのほうがテンションが高くなるはずなのですが。。。そうなると、音は弦だけでも、ボディだけでもなく、ボディと弦の関係で作られるのだなぁと感じます。音色はもちろんなのですが、伸びも変わることを考えると、基本的な振動数も変わってくると。URABEのゼロフレットが関係しているかはわかりませんが、同じ弦でも楽器にょってテンションが異なるということに気づき、音色がかわるのだからあたりまえでしょという自分にもっとショックでした。