ウクレレのサイズ

ウクレレには、ソプラノ、コンサート、テナー、バリトンという主なサイズがあります。

バリトンサイズは触ったこともなくよくわかりませんので、説明からは外させていただきます。

大きさは、

ソプラノ < コンサート < テナー

の順で大きくなります。中華ウクレレでは全長で区別している例が多く、ソプラノ=21インチ、コンサート=23インチ、テナー=26インチ となっています。

ウクレレ誕生から1960年代あたりまではウクレレと言えばソプラノサイズのことでしたが、いまではコンサートやテナーサイズはもちろん、その中間的なサイズなど、バリエーションも増えています。

楽会のみなさんはたいていウクレレを持っていて参加される方々なので、「どれがいいですか」という質問はあまりないのですが、「どれがいいんだろう」という疑問はありますね。これも結論から言えば、自分の目指すスタイルや好みで、それに合ったものを選べば良い、になります。たいていのメーカは全サイズラインナップしていますので、「このサイズがベスト」という正解のサイズは無いということでしょう。

それで終わってしまってはこのブログも意味がないので、サイズ別の特長を書いてみます。これからウクレレを購入したいなと思っている方は参考にしてみてください。ウクレレの入門書には意外に書いていなかったりします。

  • ボディの大きさ

ウクレレは抱えて弾くのが基本スタイルです。抱えて弾く場合、弾く人の体の大きさにウクレレのサイズが合っていたほうがいいということになります。

ただ、実際に抱えて立って弾くというシーンはあまりなく、座って膝の上に置いたり、ストラップを付けて立って弾くこともできるので、ボディがしっくりくるかどうかはあまり気にする必要はないのかもしれません。

  • 音の大きさ

原則としてはボディが大きいほうが音も大きく、低音側の響きも良くなります。今はピックアップでアンプを通せば音量は出ますが、生演奏でギターと一緒になったりするとウクレレの音量はかなり小さいことがわかります。テナーでもギターの音量には負けるのは当然なので、バンドをやられる方はピックアップ付きを選ぶといいかもしれません。ですので、「大きい音がほしいからテナー」というのは考える必要なさそうです。

  • ネックの長さ(1)~フレットの間隔

ソプラノ、コンサート、テナーの順でネックが長くなります。ネックが長くなる=フレットの間隔も広くなる です。ソプラノもテナーもチューニングは同じですから、ネックが長くなるテナーは1フレットあたりの長さ、つまりフレットの間隔も広がります。なお、こうして広がった分、高いフレットが打てることになり、フレット数もソプラノよりテナーのほうが多くなります。

フレット間隔が広がるということは、テナーでは高いポジションは押さえやすくなる一方で、低いポジションではフレット間の距離が広がるので、同じフォームでも左手がより広がることになります。ソプラノでは1フレットと5フレットを同時に押さえるなんて簡単でしたが、テナーでは苦しいという場面もありますね。

  • ネックの長さ(2)~テンション

ソプラノ、コンサート、テナーとも同一音程のチューニングでネックの長さ、つまり弦長が変わるということは、同一弦の場合、テナーの弦のほうが高テンションになります。この特徴が一番かなと、私的には思います。テナーは弦がピンと張っているので、高音成分を多く含んだキラキラした音になります。左手の押さえる力も増える。逆にソプラノは弦が緩いので、コロコロした丸みのある音で、左手の力も少なくて済みます。

 

以上、ざっと書いてみましたが、やはり触ってみるのがいちばんかと思います。どれかのウクレレを手に持って弾こうとしてみて、大きさや左手の力の入れ具合などに少し違ったものがほしい場合の選び方と思ってください。

私個人が使っているのは、

・コンサート・・・・・・・・・・・・ソプラノとテナーの間のサイズ。全長23インチ。
・ソプラノロングネック・・・ ソプラノボディにコンサートサイズ長のネック
・タイニーテナー・・・・・・・・コンサートサイズボディにテナー長のネック

の3種。実はどれも大きさはほぼ同じになります。ソプラノロングネックはHigh-G、テナーはLow-Gチューニングです。コンサートは万能選手なので、どちらのチューニングでもいいのですが、Low-Gを張っているときのほうが多いかも。

 

注) 楽器は同一型式の製品であっても、使用している木材の部位や加工精度・仕上げなどの個体要因や、温湿度などの環境要因で印象が変わることがあります。また、音色は個人による感じ方なので、響くとか、バランスとかの尺度は個人差があります。